経済効果は5200億円/県文化観光スポーツ部
統合リゾート導入で試算
県文化観光スポーツ部は、カジノを含む統合リゾートを沖縄に導入する場合の経済・雇用効果の試算や懸念事項を整理し20日、市中央公民館で市民を対象に説明会を開いた。経済効果は最大約5200億円を試算。雇用誘発は5万4000人を見込む。デメリットには、ギャンブル依存症が増える恐れなどを挙げた。
統合リゾートは、カジノ・エンターテインメントとほぼ同じ意味で、誰もが楽しめるテーマパークや劇場、シネマコンプレックス、ショッピング・グルメモール、スポーツ施設、国際会議場、ホテルなどにカジノを含んだ複合施設。
県が統合リゾート導入の可能性調査を行った理由は、観光振興や地域活性化、雇用の創出、経済波及効果などのメリットを見込めることが一つ。国会でカジノを合法化する動きが出ているのも背景にある。
導入モデルは、ビジネス層中心2、ファミリー層中心2の計4パターンを示した。施設の整備運営は「民設民営」とする。事業者は地域の合意形成、国の区域指定、公募・入札などの手順で選定する。
カジノ導入のデメリットには①ギャンブル依存症の懸念②青少年への悪影響③暴力団等組織悪介入④地域環境への悪影響-などを挙げた。
質疑応答で男性の一人は「法律で禁止されているカジノを、あえて核にして開発する理由は何か」と質問。当局は「統合リゾートは、沖縄の自然、島々、歴史、文化などの活用が基本で、カジノはプラスαの部分」と説明したが、男性は「カジノ以外で客を増やす方法はあると思う」と納得しなかった。デメリット対策の一番いい方法は、造らないことだと強く反論した。