「農業壊滅」と危機感/宮古島市議会
TPP不参加求め意見書/全会一致で採択
宮古島市議会(平良隆議長)は21日、12月定例会の最終本会議で「TPP(環太平洋連携協定)に参加しないことを求める意見書」を全会一致で採択した。意見書は「サトウキビが主な産業である南西諸島の実情を無視し、TPPに参加することは絶対に認められない」と反対の姿勢を強く打ち出した。内閣総理大臣、外務大臣、財務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、内閣官房長官、沖縄及び北方対策担当大臣あてに提出する。
同意見書は議会運営委員会の発案で提出され、上地博通氏が読み上げた。
TPPを巡る情勢については、野田佳彦首相が閣議決定を経て、11月13日のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議で「交渉参加に向けて、関係国との協議に入る」と表明し、農家や関係者を動揺させていると分析した。
TPP交渉は例外なき関税撤廃を目指す交渉とした上で、「交渉が継続された場合は離島県である沖縄県内はもとより、さらにその離島である宮古島市の農業に壊滅的な打撃を受けることは必至」と崩壊の危機が差し迫っていることを強調。
参加した場合の宮古島市の農業への影響については「サトウキビや肉用牛、葉タバコ、園芸作物を中心に取り組まれ、宮古島市の経済を担っている農業が崩壊してしまうと、島の経済は成り立たなくなる」と懸念を示した。
TPPは単に関税撤廃に止まらず、医療、金融、保険、公共工事など24分野に重大な影響を及ぼすものと危惧されている、とも指摘。
意見書は、特に宮古農業への影響に危機感を募らせ、政府にTPPへの不参加を強く求めている。