2012年 辰年に輝け島の宝
新年を迎えて
新しい年を迎え、新春のご挨拶を申し上げます。
昨年、我が国においては多くの出来事がありました。3月11日に発生した東日本大震災は死者、行方不明者2万人という未曽有の災害に見舞われました。被災された方々に対し心からお見舞い申し上げます。この大震災によってひき起こされた東京電力福島第一原子力発電所事故は世界の注目を集め、原発の安全性が問われました。原発周辺住民への賠償も含めて被災地の一日も早い復旧復興を願わずにはいられません。
政界では菅直人首相が退き、9月には野田佳彦政権が誕生しました。しかし、社会保障と税の一体改革や、北朝鮮の金正日総書記の死去に伴う不安定なアジア情勢など、内政、外交ともに多くの難題を抱えています。
沖縄県民にとって最も大きな関心事は、「普天間基地移設」問題です。政府は何としても辺野古への移設を実現したいようですが、県民感情が悪化する中、その行方が注目されるところです。
また、環太平洋連携協定(TPP)問題も大詰めを迎えています。
昨年末にはTPP協議に参加することによる宮古農業への影響を憂慮するサトウキビ農家が大集会を開き、TPP参加反対の意思を表明しました。
こうした中で未来に明るい希望を与えてくれた出来事もありました。その一つが「なでしこジャパン」の活躍です。女子サッカーワールドカップドイツ大会での優勝は日本国民に大きな感動と勇気を与えました。
昨年の世相を表す漢字一文字に選ばれた「絆」は東日本大震災後の人と人との助け合い、心と心の結び合いを表す文字でした。「最後まであきらめない」「仲間を信頼する」という、なでしこジャパンのチームワークも選ばれた理由とされています。
さて宮古島市でも、昨年から学校統廃合が大きな課題となっています。「教育は百年の大計」といわれている通り、将来宮古島を背負って立つ子供達の健やかな成長を第一に考え、課題の解決に向け地域住民が納得するような充分な議論の場が設けられ、円満に解決出来ることを願うものです。
昨年の宮古観光入域客数は震災の影響で一時陰りが見えましたが、目標として掲げた40万人を達成できました。海中公園のオープンや格安航空運賃で知られるスカイマークの就航などで、宮古観光にとっては明るい展望が開けました。今後も持続発展していくことを期待したいものです。
今年も皆様にとって穏やかで幸せな年でありますようにお祈りして新春のご挨拶と致します。
平成24年元旦
宮古毎日新聞社
社長 平良 覚