自然エネルギー100%自活に挑戦/来間島エコプロジェクト
目標70万㌔ ㍗アワー、太陽光で
宮古島市の「来間島再生可能エネルギー100%自活実証プロジェクト」が動き出している。100%自然エネルギーによる生活に向けて、島内全世帯における太陽光パネルの設置を目指す。実現すれば再生可能エネルギー利用の世界先進モデルが構築される。エコアイランド宮古島による革新的な取り組みが、注目を集めている。
プロジェクト計画によると、年度内には来間小中学校、来間島振興総合センター、福祉施設の屋根に太陽光パネルを設置し、発電させる。2012年度は来間島の住民と話し合いながら全世帯における太陽光パネルの設置を検討する。
13年度に各世帯への取り付けを開始。同島の年間電気使用量は70万㌔㍗アワーだが、比較的発電量の大きい振興総合センターなどに加えて、各世帯で発電・蓄電することにより使用する電力の100%自然エネルギー活用の実現を目指して取り組む。
実際に年間で使用する電気料に満たない部分は、風力発電機はないが「見なし風力発電」として100%自然エネルギーによる生活を具現化させていく。
来間部落会の来間得良会長は「期待する部分の方が大きい。全世帯が太陽光パネルを設置するかどうかは別として、再生可能エネルギー利用に関するモデル的地域になれば観光の分野でもメリットが生まれる」と話す。「高齢者の皆さんに理解してもらえるような話し合いが必要。長い目で見ると素晴らしい事業。来間でこの実証が成功すれば全国に広がる。自然エネルギーに関する認識が、ここ来間島から全国に広がる意味は大きい」と話した。
一つの島で使用する電力のすべてを自然エネルギーで発電させるという画期的な実証事業。すでにエコアイランド課には関係団体から問い合わせが来始めているという。成功させれば再生可能エネルギー活用の道筋が示されるだけでなく来間島の知名度そのものが飛躍的に向上する。市をはじめ関係者の期待は大きい。