シリーズ 島のくらしと環境<8>
日本初の「地下水保護管理条例」
「命の水」を守るための手だて
宮古島市は昨年暮れ、水道事業の将来像策定を発表した。それによると、安全良質・安定・災害に強い・持続可能・環境に配慮など6項目にわたり水道事業の構築を今後8年間かけて実施していく。
宮古島の水道は、1953年、旧平良市が三大事業(電気・水道・港湾)の一環で白川田水源地の水を市街地に流し共同栓を設置した。他の旧町村は54年から59年にかけて各部落に簡易水道を設置、組合により運営されていた。64年、宮古島の水を統括管理する組織として「宮古島用水管理局」が設置された。後に65年「宮古島上水道組合」が設立され、72年、本土復帰に伴って「宮古島上水道企業団」と改組された。
2005年、5市町村の合併により、宮古島市水道局となり、その後、10年、宮古島市の行政改革によって、水道局と下水道課を統合して「上下水道部」が設置された。宮古の地下水は島全体の財産で、みんなで守っていこうと宮古島上水道組合が設立された65年、日本で初めての「宮古島地下水保護管理条例」が生まれた。1998年、「水道水源保護条例」もでき、2009年には「宮古島市地下水保全条例」として整理統合された。
宮古島市の水道水は主に三つの流域(白川田・東添道・福里北)の地下水が利用されている。このため、私たちの飲み水を守るために「水道水源保全地域」が指定されている。保全地域では、地下水に影響を与える可能性がある事業を行う場合、事前に市と協議することが義務づけられている。また、新条例によって、水道水源保全協定の締結や排水水質指針値の遵守なども義務づけられた。
例えば、水道水源保全地域で、ゴルフ場や畜産業、観光農園、産業廃棄物処理業、鉱業(採石・砕石など)、クリーニング業などを営む場合、事前協議を行った上で市と水道水源保全協定を結ばなくてはならない。