製糖工場、分蜜糖を初出荷
沖糖1500㌧、宮糖1050㌧/海上の安全輸送を祈願
沖縄製糖と宮古製糖は21日までに、2011-12年期産の分蜜糖を本土向けに初出荷した。初荷は沖糖が1500㌧、宮糖が1050㌧。それぞれ海上における安全輸送を祈願した。
両工場は今月11日に今期製糖を開始。20日現在で沖糖に1万4982㌧、宮糖城辺に1万1627㌧のサトウキビが搬入された。
平均糖度は沖糖が14・19度で宮糖が13・25度。搬入量は大幅な減産が見込まれるが、品質面では基準糖度帯(13・2~14・4度)を維持している。
宮糖城辺工場は21日午後2時から工場内で出発式を行い、分蜜糖出荷における安全輸送を祈願した。
安村勇社長は「今期はサトウキビの大幅な減産が見込まれているが、農家の皆さんが丹精を込めて作り上げたサトウキビがあるからこそきょうの分蜜糖の出荷がある。農家の努力に感謝したい」と強調。陸上輸送するトラック運転手に対しては「分蜜糖を大切にして安全な輸送に努めていただきたい」と呼び掛けた。
分蜜糖を積んだトラックを見送った後は平良港に移動して初荷式を開いた。
この中で琉球海運の宮城茂常務は「今期は台風2号や日照不足などの影響でサトウキビが減産するということを聞いている。こういう厳しい中だが、農家のサトウキビから作られた分蜜糖を一粒たりとも残さずに安全第一で運送したい」と決意を込めた。
一方、沖糖の砂川玄悠専務は「今期は原料不足の影響もあって出荷が通常より若干遅れたが、農家の努力があって作られた大切な分蜜糖。陸上および海上の安全輸送を願う」と話した。
21日の平良港には分蜜糖を積んだトラックが次々と往来し、周囲に甘い香りを漂わせながら黄金色の分蜜糖を専用ベルトコンベヤーで船倉に流し込んでいた。
輸送業者らは口々に「この分蜜糖は農家と製糖工場の努力の結晶。大切に本土まで届けたい」と話した。
沖糖の分蜜糖を乗せた船は同日、愛知県に向けて出港、宮糖の分蜜糖を運ぶ船はきょう22日、横浜市に向けて出港する。