一元出荷体制確立へ/マンゴー
品質格差解消が柱/関係団体が意見交換
宮古島市、県、JAの三者代表は27日午後、市役所上野庁舎で、宮古島産マンゴーの生産振興と販路拡大に向けての意見交換会を開いた。宮古島産マンゴーの品質格差が大きく市場の評価が低下しつつある現状を懸念、三者が連携を強化してマンゴーの系統一元的な生産・出荷体制を確立する方針を確認した。具体的な取り組みとして、品質格差の解消を図る全農家対象の目揃え会を開催する。
はじめに60戸の農家を対象に実施されたアンケートの集計報告があり、現状の出荷先に対する回答は顧客販売が最多の32%、県内外の市場が20%、JA販売はわずか13%にとどまっていることが分かった。
同結果に基づく現状報告では、JA出荷に見られるような一元的出荷が少ないため「品質のばらつきが大きく、市場の評価が低下してきている」と指摘。「消費者の信用を一度失うと取り戻すことは難しい」と早急な対応が必要とする見解を示している。
経営上の課題として最も多かった回答が「流通・販売に悩んでいる」。顧客を確保しているベテラン農家に比べて新規参入農家が売り先の確保に困っている現状が浮き彫りとなった。
これを踏まえて①新規参入農家の栽培技術の高位平準化および秀品率の向上②生産・出荷組織の一元化に向けた連携強化③共選、共販を見据えた販売戦略の構築④6次産業化の推進-とする課題を集約した。
栽培技術の高位平準化に向けては、定期的な現地検討会の開催やマンゴー指導員の確保などを行動の柱に位置付けた。
一元化を図る上では全農家対象の目揃え会の実施に伴う品質格差の解消や、広域出荷場の導入などを具体的な取り組みに挙げた。
販売戦略では県内外でのキャンペーン実施に向けて検討を進める。ファーマーズマーケットおよび量販店との連携も掲げた。
輸送体系については、増え続ける出荷量に対応するため、実証試験を通して品質に影響がないことを確認した船舶輸送を軌道に乗せる方向性を打ち出した。
6次産業化は加工品開発に力点を置き、販促活動を充実させる。
長濱政治副市長は「マンゴーの生産は右肩上がりで推移しているが、その中で多くの課題がある。ブランドをどのように確立させるのか、協力して取り組んでいきたい」と話した。
昨年の宮古島産マンゴーの生産量は約520㌧、今年は約680㌧、翌2013年は約835㌧の生産量が見込まれている。