くい打ち工事本格化/佐良浜漁港
宮古初のくし型浮き桟橋
くし型浮き桟橋の4月供用開始に向け、佐良浜漁港西側で8日、鉄鋼製のくい打ち工事が本格化した。宮古で、漁船専用のくし型浮き桟橋が整備されるのは初めて。県発注の工事で総事業費は2億6460万円(国9割、県1割負担)。
岸壁を背にして浮体を並べ設置することからくし型浮き桟橋を呼ばれる。鉄鋼製くいとは別に、岸壁側と外側に鋼管くいを19本打ち込んで固定し、浮き桟橋11基を一定の間隔で設置する計画。1基の両側に1隻ずつ接舷し、計22隻が利用する計画。
1基の長さが11㍍、幅1・5㍍。浮体は発砲スチロールをウレタン樹脂でコーティングし、表面は人工木材で仕上げる。
くし型浮き桟橋のメリットは▽強風時における漁船の安全な係留▽潮位に関係なく乗船・下船の容易▽作業の効率化・迅速化-などが挙げられている。
西側の岸壁を利用していた小型漁船は、現在は伊良部離島振興総合センター前の岸壁に係留している。漁船は後進しながら船尾で接岸。くし型浮き桟橋では船首を岸壁に向け係留する。
現在は岸壁と船尾に梯子を架けて乗船・下船を行っているが、くし型浮き桟橋の場合は、梯子は不要となり、梯子製作費の支出はなくなる。
宮古農林水産振興センターでは「くし型浮き桟橋の供用が始まると、漁船のより安全確保・利便性が向上する」とメリットを強調した。
伊良部漁協の友利義文組合長は「くし型浮き桟橋は、漁業振興に大きく寄与する」と早期の供用開始に期待を寄せていた。