JALが下地島から撤退
県、賠償求め民事調停へ
【那覇支社】日本航空(JAL)は7日、下地島空港での同グループ航空会社の訓練を全て取り止め、これまで拠出していた同空港維持管理費の同社負担分、年間約2億3000万円を支払わないことを県に文書で伝えた。県は同社を民事調停に申し立てる方針で、申し立てに関する議案を15日開会の県議会2月定例会に提出する。
県空港課によると、同社の運航副本部長が7日に当間清勝土木建築部長に直接、今年3月末日で同空港の維持管理から撤退する内容の「利用終了書」を提出した。
現在、同空港の維持管理費はJALと全日本空輸(ANA)が折半し、年間約4億5900万円を同費用に充当している。JALは昨年3月に同空港の運営から撤退することを通告していた。
これを受け、県は同社と県で取り交わした覚書による相当期間の継続支払いをJAL側に求めていた。県は民間航空会社の強い要望を受ける形で、パイロット訓練飛行場として下地島空港を整備した経緯があることなどから、「短期間の予告通知での撤退には応じられない」としている。
県によれば、同社の関連会社である日本トランスオーシャン航空(JTA)は11年度(12月末現在)で600回の訓練を下地島空港で実施しているが、12年度以降は訓練を行わない方針だという。JALグループの撤退によって、同空港の管理運営に支障を来すことから、県は県議会の承認を経て法的手続きによる賠償請求を同社に行う方針だ。