地域と学校 音楽で一つに/西辺中学校
活かそう!地域の教育力
西辺中学校(饒平名和枝校長)は、1999年から地域に根ざしたふるさと教育の推進で「たまうつ先生」を中心にした活動に取り組んでいる。「たまうつ」とは、知恵の分配という島言葉で、地域のお年寄りや知識人から生徒たちに体験を通した講話で知恵を分けようというもの。川上哲也校長時代に考案され今に至っている。2002年からは地域と共に創る音楽活動として「たまうつ音楽祭」も定着し12日、第10回記念たまうつ音楽祭が同校の体育館で開催された。
同音楽祭は、昨年から「宮古島市教育の日」にちなみ、「教育の日」の取り組みとして実施されている。校歌斉唱でオープニング、池田怜奈さんが方言で学校紹介、会場を沸かせた。生徒会の中村勇登さんがあいさつした後、第1部「たまうつミュージック」は各学年、地域のコーラスグループなどの発表が行われた。地域の女性たちで構成される木村流・大正琴の会は「くちなしの花」を演奏し、会場を和ませた。
1年生(13人)は、大正琴の会と一緒に「大きな古時計」を合唱奏、2年生(15人)は九つの打楽器を駆使してリズムアンサンブルを披露した。3年生(17人)はハンドベル、心を一つに「天空の城ラピュタよりー君をのせて」を演奏し、美しい音色を会場いっぱいに響かせた。毎回出場している地域のコーラスグループ「ゆりの会」は、「島ばき」や「シートニガイ」など西村の歴史に関する古謡を紹介した。また「ふるさと」を方言で歌うなど“たまうつ先生”の貫禄を見せていた。
第2部は「リズム deコミュニケーション」。文化庁・次代を担う子どもの文化芸術体験(派遣)事業で、ジャズドラマーの森田孝一郎さんを招きドラムサークルを行った。ドラムサークルとは、全員が輪になって、即興的につくりあげるパーカッション(打楽器)のアンサンブル。参加者が一体感を感じながら楽しい時間を共有しようというもので今回取り入れられた。
会場は生徒、教師、父母、地域の人たちなど四つのグループに分かれて円陣を組み、ファシリテーターと呼ばれるガイド役の森田さんの指示で音を奏でた。大太鼓やパーランクー、タンバリンなど幾種類もの打楽器をそれぞれ手にした参加者は、リズムコミュニケーションによって音楽を楽しんでいた。
体育館内は打楽器の調和のとれた音であふれ、まさにたま(霊)をうつ(打つ)ような歓喜の音楽祭となった。