生産農家、定期開催に安堵/8月肉用牛競り
価格は低迷、子牛30万5915円
宮古地区の8月期肉用牛競りが19日、JAおきなわ宮古家畜市場などで行われた。5~6月競りの中止から7月に二度開催された臨時競りを経て、ようやく定期競りが再開された。生産農家は一様に安堵の表情を見せたが販売価格は依然として低迷。子牛の1頭平均価格は30万5915円と前回比で1万9229円下げた。全体の販売額は同比約3000万円安の1億4533万7850円。全国に影響した口蹄疫の余波が続いている。
定期競りの開催を受けて、競り市場は朝から活気付いた。今年宮崎県で発生した口蹄疫問題が終息に向かっている状況もあり、価格上昇が期待された。
だが、子牛価格は平均で前回比2万円下げる安値で終了した。口蹄疫の震源地・宮崎の大口購買者が競り参加を控えたことや、素牛の大市場・鹿児島県の競りと重なったことなどが影響した。いまだに価格が上がらない枝肉市場の低迷も要因。
上場された子牛は去勢264頭、雌205頭の計469頭。このうち460頭の取り引きが成立した。
性別の1頭平均価格は去勢が前回比1万9167円安の33万6267円、雌は同比1万3755円安の26万5394円だった。平均キロ単価は去勢が1200円、雌は1025円となった。
成牛を含めた上場頭数は511頭、このうち500頭が競り落とされた。1頭平均価格は29万675円と30万円を割り込む安値。平均キロ単価も1028円と落ち込んだ。
4カ月ぶりに再開された定期競りで待機牛は解消されたが、安値で推移する販売傾向に農家の喜びも半減の様子だ。ただ、口蹄疫の終息にめどが立っていることもあり、枝肉市場の動き次第では再び上昇に転じることも予想される。JAなど関係機関は生産農家に対し、引き続き系統に優れた素牛の生産を呼び掛けている。