牛競り、出荷頭数調整へ/口蹄疫影響
農家支援策を検討/子牛登録なども停止措置
宮崎県内で発生した口蹄疫(こうていの影響に伴う5月期肉用牛競りの中止を受けてJAおきなわ、宮古島市、和牛改良組合など関係機関は6日、6月期競りに向けて出荷牛の頭数調整を行う方向で最終調整に入った。出荷牛の日令を勘案しながら上場する牛の優先順位を決める方針。5月期に出荷できなかった生産農家に対する支援策も検討、経済的損失の軽減を図る方針だ。
口蹄疫は宮崎県で広がりを見せており、4日現在で23例目が確認されている。すでに県内すべての5月期競りの中止が決定。感染を防ぐため、県家畜改良協会が実施する子牛登録も14日までは実施しないことを決めた。
競りが1カ月遅れると子牛の日令が平均で300日(適齢は270~280日)を超えて価格低下を招く。さらに5~6月分の牛をまとめて出荷すると1000頭以上の売買となり、競り市場の処理能力をはるかに超えてしまう。このような事態を回避するために出荷頭数を調整する。
調整方法は、今月出荷予定だった牛を優先的に6月期競りに上場させ、これ以上日令を延ばさない措置を取る方針。JAや和牛改良組合が生産農家に周知を図るとともに、理解と協力を求めていく。
今月競り中止に伴う生産農家の経済的損失についても支援策を検討。一定の競り値を想定した「仮渡し金」の支出をはじめ、市がBSE(牛海綿状脳症)発生時に実施したJAに支払う出荷手数料を補助する方法などもあるが、今回は競り中止という前代未聞の事態。6月期競りにおける競り値も想定できないため、あらゆる方向から支援策を検討している。