PAC3宮古に配備/北朝鮮ミサイル迎撃
防衛省が市長に説明/市、対策本部を設置へ
防衛省は26日、北朝鮮による長距離弾道ミサイルが先島諸島およびその近海に落下する事態に備え、宮古島市に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を配備する方針を下地敏彦市長に伝えた。同省国民保護・災害対策室の町田一仁室長が市長に直接伝えた。配備先は上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地で、今月末までに田中直紀防衛相が「破壊措置命令」を発令し、同分屯基地での迎撃態勢を整える。市は防衛相の発令を受けた後、「国民保護法」に基づいて対策本部を設置する。同日、防衛省は県に対してもPAC3配備手続きのための説明を行った。
防衛省は北朝鮮が4月12日~16日の間に同ミサイルを発射することに際し、ミサイル防衛(MD)システムで対応することから、同ミサイル想定軌道上の南西諸島海上に海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦を配置し、沖縄本島、宮古島、石垣島などにPAC3を配備する計画であることを明らかにしていた。
26日に防衛省の説明を受けた下地市長によると、今月末から来月初旬に平良港下崎埠頭へPAC3配備のための輸送艦船を入港させ、車両台と自衛官を上陸させることなどの説明があったという。
同埠頭はPAC3の入港を予定する期日には伊良部大橋主航路部の陸揚げ作業も予定されているが、防衛省の説明によると同主航路部の陸揚げ作業に支障は来さないという。
また、人員輸送は海上のほか、宮古空港に自衛隊ヘリを着陸させることも併せて打診し、県に対し同空港使用のための説明を行っている。配置人員は万が一、ミサイルの一部が落下した場合、その処理を行う人員も配置するという。
下地市長は「国として国民の生命、財産を守ることは当然の使命だ」と述べ、「市民を守る立場から、市長として出来得ることは全てやるという立場だ」として、防衛省のPAC3配備に協力する考えを示した。市が対策本部を設置する際、防衛省から連絡調整官が着任し情報提供などを行う。
北朝鮮のミサイル発射予告期日が全日本トライアスロン宮古島大会の開催期日と重なることから、市は防災無線などを使用して、市民に対し防衛省からの情報提供に努めたいとしている。