農家総手取額44億円/宮古地区キビ終了
前期比30億円の大幅減/搬入量20万㌧余で大不作
宮古地区の2011~12年期製糖操業の原料搬入は27日、宮古製糖伊良部工場と同多良間工場を最後に終了した。沖糖宮古工場、宮糖城辺、同伊良部、同多良間4工場の合計搬入量は、昨年5月の生育旺盛期に襲来した台風2号の影響などにより、前期を万1854㌧(37・6%)下回る20万2343㌧。宮古本島は大干ばつに見舞われた1971~72年期に次ぐ、不作となった。農家総手取額は44億1469万円で、前期より30億円余(40・5%)減った。
宮糖伊良部工場
原料搬入量は3万6075㌧で、前期を1万7244㌧(32・3%)下回った。近年では04~05年期の3万1000㌧に次ぐ不作だった。昨年5月の台風や、7月のバッタ被害、干ばつなどが生育を阻害した。平均糖度は14・91度と4工場中最も高かった。
ハーベスター利用率は約16%と平年の10%程度より、6ポイント伸びた。宮古本島から5台のハーベスターが応援に入ったという。
糖度別の内訳は13・1度以下が6%、基準糖度帯(13・2~14・4度)が26%、14・5度以上が68%。9割を超えるキビが基準以上だった。同工場管内の糖度は、品種構成比が最も高い高品質の農林15号が押し上げた。糖度の最高は19・3度(トン当たり価格2万8595円)だった。
宮糖多良間
今期の搬入量は、前期を9144㌧(38・1%)下回る1万4778㌧となった。近年では6月台風の被害が甚大となった04~05年期の1万2983㌧、バッタ被害のあった01~02年期の1万3573㌧に次ぐ不作だった。平均糖度は13・7度と基準糖度帯(13・2~14・4度)に入った。トン当たり農家手取額は2万1419円(基準額比83円安)となった。
今期の操業は、砂糖をたき上げて28日早朝に終わる。原料が少なく操業日数は74日と、前期より32日少なかった。
今期のハーベスターの利用率は40%と前期の30%より10も伸びた。不作や高齢化を要因に挙げる。ただ、ハーベスターは天候に左右され搬入量が不安定になるため、日平均圧搾量が若干減った。
不作には台風2号による葉の裂傷ほかに、昨年2~4月の日照不足や冷温、イネヨトウの被害などが影響したとみている。
収穫面積は296㌶、平均反収約5㌧(前期8㌧)となった。糖度の最高は16・9度(トン当たり2万5238円)だった。
糖度の内訳は、基準以下のキビが27・9%、基準糖度帯内が48・9%、基準以上が23・3%。7割強のキビが基準を上回った。