もうかる漁業推進へ/生産額15億円目指す
第1次水産振興計画を策定/市長に報告
第1次宮古島市水産振興基本計画策定委員会の委員長を務める上地廣敏農林水産部長らは28日、委員会で策定した基本計画を下地敏彦市長に報告した。今後10年間の水産業の振興方策を定めた計画で、「地域特性を活かした持続可能で儲かる漁業の推進」を基本理念に、年間総生産量3200㌧、総生産額15億円の達成を目指す。
同計画は宮古島市の水産業の基本的方針を示すとともに、市総合計画のもとで市が目指すべき将来像の実現を補完する位置付けとして、策定委員会が11年9月から今月27日までに5回の委員会を開催し策定した。計画期間は2012年度から21年度までの10年間。
基本理念は、▽市が持つ地域特性の活用▽持続可能な水産業▽産業として経済的安定性に資する-の3項目を基軸に「地域特性を活かした持続可能で儲かる漁業の推進」に設定。基本目標は、過去10年間の生産量・生産額を洗い出し、上位2~6位までの平均値を基に、年間の総生産量3200㌧、総生産額15億円の達成を掲げた。
基本目標達成のための振興施策としては、①水産資源の保全・回復②漁業者所得の向上③就業者の確保・育成④活力ある漁業集落づくり⑤「ぎょしょく」(魚触、魚色、魚職、魚殖、魚飾、魚植、魚食)活動の推進⑥漁業協同組合の機能強化-の実現に向け、早期、中期、長期で取り組む具体的な展開を設定。計画の進ちょく管理と検証を行うため、市水産振興戦略会議を設置する。
同委員会委員を務める宮古島漁協の小禄貴英組合長、伊良部漁協の友利義文組合長、池間漁協の浜川洋美組合長らとともに市長室を訪れた上地部長は、同計画が今後10年間の水産業における振興方策を定めたもので、計画達成に向け産・官・学・民の多種多様な分野が連携・協働することなどを盛り込むことで、より実現性と実効性が高いものとなっていることを説明し、下地市長に計画書を手渡した。
下地市長は「どうすれば宮古の水産業が良くなるか、委員の皆さんに考えてもらった。計画に盛り込まれた、すぐに手を付けなければならない部分は、これからしっかり予算化して取り組んでいきたい」と語った。