PAC3配備で協力要請/防衛相が宮古島市などに
【那覇支社】田中直紀防衛相は31日、那覇市内のホテルで、宮古島市の長濱政治副市長や那覇、南城、石垣各市の首長らと会談し、北朝鮮が「衛星」と称して発射する長距離弾道ミサイルの落下に備え、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を配備することへの協力を要請した。田中防衛相は住民の安全に万全を期すと伝え、配備に理解を求めた。
会談で長濱政治副市長は、4月日に開催されるトライアスロン大会が、ミサイル発射計画の12日~16日に当たることから「最後の最後まで外交努力をしていただき、何とか良い形で大会を成功させたいと思っている」と話した。
田中防衛相は「政府として外交努力に全力を挙げているところ」と答えた。
石垣市の中山義隆市長は「ミサイル発射に漠然とした不安がある。配備は早急にしてほしい」と述べた。
田中防衛相はこれより先、仲井真弘多知事と会談し、PAC3を宮古島を含む県内4カ所に配備することへの協力を要請。「国民の生命と財産を守るための自衛隊活動なので、理解してほしい」と強調した。
仲井真知事は「安心、安全の確保は私どもの責任。必要十分な対応を迅速に取ってほしい」と応じた。
会談後、長濱副市長は宮古島へのPAC3配備について「国防の問題なので、市としては受けざるを得ないが、最後の最後まで外交努力していただきたい」と述べた。
市民への情報提供については「得られた情報は行政チャンネンルを通して可能な限り提供していく。ミサイルが発射されれば、できるだけ屋内から出ないように周知しようと思う」と述べ、防災情報システムを活用して広報に努めていく考えを示した。