PAC3きょう宮古到着/北朝鮮ミサイル迎撃
2基配備、自衛隊200人/市長「市民の安全確保」要望
北朝鮮が「衛星」と称して発射する長距離弾道ミサイルの落下に備え、防衛省は宮古島への地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)を上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地内に2基配備し、自衛隊員を約200人配置する。自衛隊員は民間フェリーと自衛隊ヘリで移動する。PAC3を搭載した海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」はきょう3日の夕方に下崎埠頭に入港する予定。「おおすみ」にはPAC3輸送車のほか、電源車、レーダー車を含めて30台程度が搭載されている。下地敏彦市長が2日、会見で明らかにした。
関係者によると、輸送艦が下崎埠頭沖に到着するのは同日午後6時ごろの予定という。市港湾課には、同埠頭の使用許可が3月30日に申請されており、使用期間は3日夕刻から翌朝までとなっている。
ミサイル落下に備え、落下物の確認、被災者が発生した場合の搬送用にヘリ1機を宮古空港に常駐させる。重傷者が発生した場合は、与那国に配備するジェット機で那覇または本土に搬送する。
下地市長は配備で国に対する要望として「発射しないよう最後まで説得してほしい。もし発射ということになれば、万全の態勢で市民の生命、財産を守ってほしい」と述べた。
北朝鮮が「人工衛星」と称し、12~16日に発射を予告している長距離弾道ミサイルが先島諸島およびその近海に落下する事態に備え、市は発射の連絡が入り次第、防災無線、行政チャンネル、市のホームページなどで発射時刻、通過予定などを広報し、市民にはできるだけ屋内にいるよう呼び掛ける。
宮古島署によると、島内の搬送ルートについては複数検討されているが2日午後の時点では確定していないという。
市は3月30日、危機対策室(室長・安谷屋政秀総務部長)を設置し、今後も防衛省から申し入れや説明があれば、市民が混乱をきたすことがないよう情報を公開していく。