PAC3設置作業進む/野原空自基地
安全対策に盛り土/陸自救援隊36人宮古に配置
北朝鮮の弾道ミサイル発射実験とみられる「衛星」の打ち上げに対し、3日夕方に広島県の海上自衛隊呉基地から輸送艦「おおすみ」で宮古島に移送され、航空自衛隊宮古島分屯基地に搬入された地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の設置作業が4日、同基地内で進められた。基地内ではPAC3発射時の安全対策として、ユンボなどを使って盛り土を施す作業などが行われた。また、陸上自衛隊は不測の事態に備えて救援隊を組織編成し第15旅団(那覇基地)から宮古島に36人を派遣した。
防衛省によると、PAC3の発射台(ランチャー)を設置する場合、発射時に噴射口から出る熱を飛散させるため、ランチャー後部に盛り土を施す。空自宮古島分屯基地内では、ランチャーの発熱による火災の危険性は、ほとんどないが、発射時に噴射する火炎の範囲を最小限に食い止めるため、同作業を行ったという。
4日現在、PAC3の設置作業は順調に進められており今後、レーダーを使ってのミサイル追尾システムの試験などを行って不測の事態に備える。
一方、陸上自衛隊はミサイル部品の落下などの事態に備えて、化学防護隊や衛生部隊を加えた救援隊を編成した。同部隊の内訳は宮古島に36人、石垣島に320人、与那国島に38人を第15旅団から派遣した。今後、被害状況を確認するためのヘリコプターも南西方面航空隊(熊本県)から1~4機を各島に事前展開する予定だ。