「離島の課題認識」/県、県議会 解決へ全力を強調
美ぎ島美しゃ市町村会要請 航空運賃低減化や医療対策など
【那覇支社】宮古・八重山圏域の5市町村で構成する「美ぎ島(かぎすま)・美しゃ(かいしゃ)市町村会」(会長・下地敏彦宮古島市長)は12日、仲井真弘多県知事と高嶺善伸県議会議長に対し、航空運賃の低減化や離島医療対策など6項目を要請した。
県は「離島の抱える大きな課題として認識している」と理解を示した上で、離島問題を制度的な面や国益の観点から最重要課題として取り組んでいく考えを示した。
要請したのはそのほか①離島航路の強化と整備②県花デイゴの枯死対策③離島における県立病院などでの特定健診の実施④保険財政共同安定化事業拠出金算定などの見直し-。
下地市長ほか、副会長を務める中山義隆石垣市長、理事の下地昌明多良間村長、富本傳竹富町副町長が県と県議会を訪ね、それぞれ要請書を提出した。
県議会の高嶺議長に代わり対応した玉城義和副議長は「教育や医療など深刻な問題であり、県議会としても理解している。9月定例会の常任委員会でしっかりと議論したい」と述べ、県への要請については連携を図りながら全面的にバックアップする方針を示した。
同市町村会は、仲井真知事にも要請。対応した上原良幸副知事は、航空運賃の低減化については「2012年度以降は制度化に向けて強い意向を持って臨む」と話し、10、11年度で実施する宮古-多良間などの離島6区間で行う航空運賃低減化に向けた社会実験の結果や評価を踏まえて検討する方針を示した。
医師の確保など離島医療対策については「琉球大学医学部に離島勤務を前提にした特別枠を設け、毎年12人の学生を増やしている。5、6年後にはかなりの改善が見られると思う」と語った。
離島航路の強化と整備については「採算面の問題や民間会社の話でもあり、すぐにこうしたいとは言えない」と明言を避けた。
下地市長らは「宮古、八重山は島嶼県の離島という地理的および自然的条件から、医療、福祉などの生活環境面に依然として格差がある。また、若年層の流出による高齢化が進展するなど、なお多くの課題が残っている」と現状を訴え。沖縄の将来像とそれに向けての方向性が明記された県独自の基本構想「沖縄21世紀ビジョン」の中に離島振興が重要な柱として位置付けられていることも示しながら、離島が抱える課題の解決に向けての支援を求めた。