市こども劇団立ち上げ/団員56人、市長が団長
8月初公演 島外にも発信
宮古島市こども劇団がこのほど設立された。団員は小4~高2までの男女56人で、8月の立ち上げ公演に向け今週末から稽古に入る。指導するのは東京芸術座演出家の杉本孝司さん。将来は、オリジナル創作劇を発表し、島外公演も行う予定だ。団長を務める下地敏彦市長が11日、記者会見し発表した。自治体が子ども劇団を立ち上げるのは県内では初めてという。
会見で下地市長は「島のアイデンティティーを確立し、『私たちは宮古島市の市民である』という意識を養っていきたい」と設立の意義を話した。
市によると団員は、旧市町村からバランス良く集まった。保護者の協力も得ながら、週末や5月の連休、夏休みなどを利用して集中的に稽古を付け、8月と来年3月の立ち上げ公演を目指す。
立ち上げ公演の脚本は「ゆーたっちょの中学生絵日記」を基に、宮古風にアレンジする。
演劇力を高めた後、オリジナル創作劇を発表し、内外に宮古島の文化力を発信していく予定で、下地市長は「子どもたちが、自分の思いを表現してほしい。青少年の健全育成にもつなげていきたい」と語った。3年後には、団員の保護者らによる自立運営に移行する計画だ。
同劇団は団長が下地市長、副団長は長濱政治副市長、運営委員長は川満弘志教育長、同副委員長は平良哲則教育委員会生涯学習部長で構成。事務局はマティダ市民劇場に置く。
下地市長は2012年度の市政方針で「こども劇団を設立し、宮古島の文化を素材とする創作劇を通して、心身の成長期にある児童生徒が文化芸術活動に積極的に参加できる環境づくりに努める」と表明し、新年度予算に約600万円の予算を計上していた。