市民との協働を要望/市総合計画審
後期基本計画を答申目/5年間の市政運営指針
宮古島市総合計画審議会(砂川正吉会長)は20日、下地敏彦市長に第1次宮古島市総合計画後期(2012~16年度)基本計画(案)を答申した。下地市長は「これから5年間の市政運営の方向になるので、これに基づいて事業を進めていきたい」と述べた。砂川会長は答申に当たり、計画について市民に周知徹底を図り、市民と協働のまちづくりなどを要望した。市は今後、答申を具体化するための実施計画を議会、市民の意見を聞きながら策定する。
審議の過程で出された意見、提案に基づき審議会は実効性を確保するため実施計画を策定し、積極的に推進する▽市民への周知を図り、市民と協働のまちづくりを推進する▽若年層の定住化に向け、産業の振興による雇用の拡大を図る-などを要望した。
下地市長はこれらの要望に対し、天然ガスの整備が進むことで雇用の創出につながるとの見解を示すと共に、漲水港の耐震化、伊良部大橋の開通、宮古島での県営公園整備、総合庁舎の建設や交通体系の見直しなどを挙げ「大きな改革になる。これまでの島のイメージが大きく変わる。バランスが取れた宮古島にますますなると思う」と述べた。
答申された後期基本計画(案)は六つの章からなり、第1章では地下水保全は市民生活・経済活動に不可欠であるとともに、自然環境保全に極めて重要であることなどを示し、不法投棄の根絶、化学肥料の適正使用推進などを施策の基本方針に据えた。
第2章は農林水産業の振興を柱に、農業の現状と抱える課題を分析し、農林業生産額を現在(2010年度)の139億円から、16年度に175億円、水産業を現状(同)の10億円から13億円とする目標値を掲げた。
第3章では学校教育を中心に学力向上対策で現状(同)の全国平均以下を全国水準に上げる目標値を置いた。また、生涯スポーツの充実のため、軽スポーツの普及や環境作りに努めるとした。
第4章は子どもを生み、育てやすい環境づくりと高齢者が生きがいを持って暮らせる環境、障害者が自立できる環境づくりなどの施策を基本方針として示した。
第5章は市民生活の基盤となる交通ネットワークの機能向上や現在(同)では地域住民による自主防災組織が存在していないが、16年度までに10団体組織する目標値を定めた。
第6章では市民参加のまちづくりの推進、男女共同参画社会の形成などを挙げ、市の女性職員登用率が10年度では12・8%だが、16年度には20%を目標とした。