創業者、故具志堅宗精氏をしのぶ/オリオンビール
下地市長が思い出語る
【那覇支社】宮古民政府知事を務めた後、オリオンビールを創業し、戦後の沖縄財界四天王の1人、故・具志堅宗精氏を偲ぶ会が19日、那覇市内のホテルで催された。今年創立55周年を迎えたオリオンビール(浦添市、嘉手苅義男社長)が主催した。県内の政財界関係者ら約240人が出席し、具志堅氏の信念を振り返り、故人をしのんだ。式典では下地敏彦市長がありし日の具志堅氏の思い出を語った。
具志堅氏は宮古民政府の知事を退任後、1950年に現在の赤マルソウの前身「具志堅味噌醤油合名会社」を設立した。57年に沖縄ビール(現在のオリオンビール)を創立し、その翌年、名護市にビール工場を整備した。「なにくそやるぞ」の精神で沖縄経済をリードし、1979年12月29日に83歳で他界した。昨年33回忌を迎えた。
嘉手苅社長は「なにくそやるぞの精神で全社員一丸となって販路拡大に挑戦したい」と、故人を偲んで決意を新たにした。
下地市長は「約10年間の宮古警察署長や宮古支庁長、宮古民政府知事時代は、仕事に厳しく妥協を許さなかった。宮古にとってなにが良いかを常に考え、私利私欲なく市民のために行動した偉大な先輩であった」と具志堅氏をたたえた。具志堅氏は67年に旧平良市から初の名誉市民の称号を贈られている。
来賓あいさつした仲井真弘多知事は「具志堅氏のような人材が今の時代には必要とされており、若い世代の出現に期待したい」と述べた。