PAC3 配備協力に謝意/田中防衛相が来島
下地村長、長濱副市長と面談
田中直紀防衛相が23日宮古入りし、多良間村の下地昌明村長、宮古島市の長濱政治副市長と相次いで面談、北朝鮮ミサイル発射に備え、自衛隊や地対空誘導弾パトリオット(PAC3)配備への協力に謝意を示した。田中防衛相は「これからも防衛省、自衛隊は国を守り、国民の財産と生命を守っていくことに万全の備えをしていく」と述べた。発射を自治体に速報するはずだった全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動しなかったことについては「関係省庁との連携がうまく取れていなかった」と説明したという。
田中防衛相は午後2時30分ごろ、市役所平良庁舎の3階市長室で、東京出張中の下地敏彦市長に代わり応対した長濱副市長と面談した。
田中防衛相はまず、「防衛省、自衛隊の行動をご理解いただきありがとうございます」と感謝した。その上で「部隊の展開、そして撤収は円滑に進んでいる。これからも防衛省、自衛隊は国を守り、国民の財産と生命を守っていくということに万全の備えをしていきたい」と述べた。
面談は、非公開で行われた。面談後、取材に応じた長濱副市長は「ミサイル発射で懸念されていたトライアスロン大会は(大会前に発射されたことで)無事に終えることができたと報告した」と語った。
作動しなかったJアラートについては「ぜひ出してほしかったと申し上げた。国からのコメントや判断をきちんとした形で連絡がほしかった。それがなされなかったので、市民に広報が遅れてしまった。今回のことを参考にして、ぜひ検討していただきたいと申し上げた」と説明した。
これに対し田中防衛相は「関係省庁との連携がうまく取れていなかった部分があった。持ち帰り検討させてもらう」と話したという。
田中防衛相はこれより先、宮古空港の特別待合室で下地多良間村長と面談した。
田中防衛相は「防衛省は、今回のケースを検証して対策するチームを立ち上げた。地域と意見交換しながら生かしていきたい」と述べた。
下地村長は「自衛隊員5人を派遣していただき、住民の不安を払しょくしたことに感謝する」と話した。
空港と市役所平良庁舎では市民団体のメンバーらが「宮古島を軍事の島にするな」などと抗議した。
田中防衛相は同日、石垣市や与那国島も訪れたほか、那覇市内で仲井真弘多知事と会い、PAC3や自衛隊配備への協力に感謝の意を伝えた。