「廃止もったいない」/バイオ施設
県商工労働部平良部長 市に積極活用促す
昨年度まで環境省の実証実験施設として建設され運営されていたバイオエタノール製造施設の今後の運営について、県商工労働部の平良敏昭部長は25日、市平良庁舎に長濱政治副市長を訪ね、同施設の管理運営に宮古島市が積極的に関わるよう求めた。
同施設は昨年度の実証段階まで、りゅうせきが国の助成を受けながら、廃糖みつを利用したバイオエタノールの燃料化試験を進めていたが、昨年度末で実証試験の事業が終了したことから、今後の施設運用とバイオエタノールの普及販売が課題となっている。
平良部長は同日、市下地の同製造施設を見学したほか、来間島に設置されたソーラーパネルなどの視察を行った。
長濱副市長との面談で、平良部長は「40億円以上ものお金を費やした施設を実証試験終了とともに廃止するのはもったいない」と述べ、エコアイランド構想を持つ市に対して、同施設の活用に関与するよう促した。
これに長濱副市長は「製造原価が割高であることが証明され、施設運営や製品流通に莫大なコストがかかる」と述べ、市としては慎重に対応したい趣旨を告げた。
平良部長からは、市に交付される沖縄振興一括交付金の一部を活用し、同施設の運用とバイオエタノール事業を進めることなどの提案があったが、長濱副市長は同事業に対して慎重にならざるを得ないことを説明し、「国や県の今後の構想を聞きながら、市の対応を考えていきたい」と述べるにとどめた。
また、同面談席では今年度、宮古島市で予定されている天然ガス試掘について、予算的に2本試掘するのが難しいことから、試掘地を慎重に選定した上で、約2000~2500㍍まで深掘りすることなどを平良部長が説明した。