乗降客数 7%増の115万人/11年度宮古空港
格安運賃が奏功/地元や郷友の利用増える
2011年度の宮古空港の乗降客数は115万2166人と、前年度の107万5859人と比べ7万6307人(7%)増加した。スカイマーク(SKY)の那覇-宮古線就航に端を発した航空3社の競争激化に伴う格安運賃が客数増加につながった。沖縄本島まで最安3000円足らずで行ける手ごろな運賃が、地元や本島の宮古出身者の利用頻度を増やしたと見られている。
スカイマークは、昨年9月15日に就航した。それ以前の4~8月まで5カ月間の総旅客数は41万8500人と、前年より5万2700人(12%)の大幅減。9~翌年3月の総数は73万3600人と同比12万9000人(21%)の大幅増となり、前半の減少分を取り戻した上に、年度実績でも前年を上回った。
例年だと月別のピークは夏場の7、8月ごろになるが、昨年はSKY就航後、秋口の9、10月だった。
那覇-宮古の現在の片道運賃は、SKYは2800~8800円の価格帯に設定。JTAの最安は2900円(55日前までに購入)で、SKY就航以前の6400円程度と比べ半額以下になった。同社では1週間前までに購入する運賃も3400円に設定するなど、SKYに対抗している。ANAもJTAとほぼ横並びという。
ゴールデンウイークに入った4月28日、宮古空港では那覇に向かう地元客が多く見られた。
歳代の夫婦は、ゴールデンウイークを利用して、沖縄本島へ旅に出掛けた。「運賃が安くなったので、以前から旅行を計画していた。ゴールデンウイークを思いきり楽しみたい」と笑顔だった。
那覇での祝いに出席した60歳代の夫婦は、「運賃が安くなり、負担が以前と比べ軽くなった。便数もかなり増え、利便性が増した」と話した。
浦添市に住む狩俣寛さん=上野出身=は「昨年は母の見舞いや、私用のために3回里帰りした。以前は、年1回帰るのがせいぜいだった。現在の運賃であれば、ちょっとした用事でも宮古に行ける」と格安運賃を歓迎した。
62歳の男性は「忘年会や模合参加のために、那覇に行く同期生や、週末に那覇に買い物に出掛ける人も増えたと聞いている」と話し、那覇、宮古の距離感が縮まったことを強調した。
空港の搭乗受付カウンターの女性職員たちは「日帰りする客が多い」とSKY就航以前までとの違いを指摘した。