児童家庭支援セ設置へ/7月めど 漲水学園に
重要8項目 県が市の要望に措置
宮古島市は2日、県に要望し具体的な措置が取られた重要8項目を発表した。それによると県は、児童虐待相談件数の増加を踏まえ、今年7月をめどに漲水学園に児童家庭支援センターを設置する。宮古上布会館(仮称)の建設へ向け、支援の在り方について前向きに取り組む考えも示した。
県と市町村が行政課題について討議する「県・市町村行政連絡会議」で昨年、市が要望した事項に県が応えたもの。下地市長は「いずれの事業も具体的かつ前向きに考えていることがうかがえる」と述べた。
市が長年、要望していた県中央児童相談所宮古分室の設置について県は「児童家庭支援センターを設置し、地域、家庭からの相談などに迅速、的確に対応する」「宮古島市、多良間村の関係機関の求めに応じて技術的助言、その他必要な援助を行う」とし、児童虐待防止対策への対応強化を図る方針を示した。
ちなみに、2009年度に市児童家庭課がまとめた相談件数は延べ492件で、前年度比121件の減少となったが、相談により明らかになった虐待実数は3件増え21件だった。
宮古上布会館の建設については「総合的な工芸産業振興の施設整備の意向があることから、宮古島市や宮古織物事業協同組合などと意見交換を行い、県の支援の在り方について検討を進める」と前向きだ。下地市長は「一括交付金を活用してもらいたい」と期待した。
そのほか、宮古病院の開院や伊良部大橋の開通を見据えたバスターミナル整備へ配慮を求めたことについては「整備の必要性および支援の在り方について検討していきたい」としている。
下地島空港と周辺残地の有効活用については「一体的に進める必要がある」とし、市が国際支援のための緊急輸送基地などを盛り込んだ「下地島空港利活用計画」を含め、あらゆる可能性を探る調査に入る予定。