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行雲流水
2012年5月2日(水)22:18

「5月3日」(行雲流水)

 きょうは、憲法記念日。今年は、北朝鮮の「ミサイル」発射騒動を身近に感じたためか、従来とは違う思いが去来する。わが国憲法の柱の一つである「平和主義」について考えてみたくなった


▼現行憲法の基本原理は、平和主義、主権在民、基本的人権、民主主義的政治組織の四つだといわれる。このうち、平和主義(戦争放棄と戦力不保持)は世界に類例がないという。憲法前文は「諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と述べている

▼しかし現実には、近隣諸国の「公正と信義」に信頼がおけそうもない。日本の領土であり、現に「実効的支配」下にある尖閣にはちょっかいを出すし、竹島や北方領土は不法に軍事占領されたままだ。北朝鮮にいたっては、何を仕出かすかわからない。米国も県民感情を無視し続けている

▼国内では、「ミサイル」発射に備えて配備されていた野原岳のPAC3は即応態勢をとった。だが、国の危機管理システムである「J-アラート」は機能せず、市民は何も知らされなかった。40分遅れで発表された官房長官の談話は〝あとの祭り〟だ

▼国際関係の不確実性は変わらないし、最近の国内政治は政争に明け暮れて国民を置き去りにしている。この際、防衛問題についても政治家たちに依存せずに、自分の頭で考えてみる必要がありそうだ

▼きょうは、憲法と安全保障をめぐるさまざまな考え方(分析と見解)がテレビで紹介されるハズだ。その「当否」ないしは「あいまいさ」をじっくり見極めたいと思う。

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