前年比3割減の7億2000万円/2010年宮古の漁獲高
10年前の半分以下に/担い手育成喫緊の課題
県宮古事務所が発行した2011年度版の宮古概観などによると、宮古地区の2010年の総漁獲高は7億1900万円で、前年の10億4000万円と比べ、3億2100万円(30.9%)の大幅減となった。10年前の2000年に16億9000万円もあった総漁獲高は減少傾向をたどり、現在は当時の半分以下に減った。
県農林水産整備課漁港水産班は減少の理由に①漁業者の高齢化に伴う漁業離れと漁船数の減少②魚価の低迷-などを挙げた。10年の漁船数は545隻(宮古島市512隻、多良間村33隻)と、02年(8年前)の849隻と比べ、64%に減った。担い手の育成が、漁業再生に向けて喫緊の課題としている。
宮古の水産業は沖合では浮き魚礁を利用したパヤオ漁業、カツオ一本釣り、底魚一本釣り、沿岸ではタカサゴ(グルクン)類を中心とした追い込み網、銛突き漁、モズク、クルマエビの養殖などが行われている。
漁業種別漁獲高は、魚類が最も多く3億2400万円(前年比3億1300万円減)。次いでソデイカなどの水産動物が3200万円(同比400万円減)、海草類1200万円(同600万円増)、貝類の1000万円(同400万円増)が続いた。養殖業はクルマエビが2億3100万円(同1100万円減)、モズクが7300万円(同700万円減)だった。
魚種別の漁獲高はマグロ類の1億2800万円が最も多い。カツオ類の3900万円、ブダイ類2800万円、マチ類2400万円、ハタ類の2100万円などが続いた。
総漁獲量は1585㌧で、前年の2665㌧より1080㌧(40.5%)減少した。減少の主要因にカツオが144㌧と前年と比べて288㌧減少したことや、養殖モズクが595㌧(同比349㌧減)となったことを挙げている。