宮古最大の浮き魚礁引退/「ニライ15号」
水産発展に寄与/「海宝5号」に引き継ぎ
県宮古農林水産振興センター(與那嶺宏明所長)はこのほど、宮古島北西沖の海洋で10年にわたってマグロ・カツオ類やシイラなどを寄せ集めてきた宮古最大の鋼製浮き魚礁「ニライ15号」を撤去・引退させた。漁師らは、水産業発展に寄与した「ニライ15号」に感謝するとともに再利活用に期待を寄せている。今月中にも代替の「海宝5号」が同じ場所で新たに設置される見通し。
「ニライ15号」は、2001年3月に設置された。海底に下ろされたいかり付きワイヤで浮体はつながり、水深1450㍍の海面に係留されていた。
浮体は高さ8㍍、重さ139㌧。当時の総事業費2億円余。耐用年数が10年を迎えたことから撤去し、平良の池間漁港に陸揚げされた。同漁港では9日、住民や観光客らが訪れ、巨大構造物の「ニライ15号」に見入っていた。
代替のFRP(繊維強化プラスチック)製「海宝5号」は浮体の高さ7・5㍍、直径25㍍、重さ8㌧。総事業費約1億7000万円。
県は「ニライ15号」は宮古島市に譲渡する方針。市では、今後3漁協(池間、伊良部、宮古島)と再利活用について検討する。
池間漁協の浜川洋美組合長は「ニライ15号は、八重干瀬の水深30㍍に沈設し、ダイビングや釣りのスポットにしたい」と要望している。