与那覇湾の推薦決定/環境省
ラムサール条約登録へ/7月にルーマニアで認証式
長濱政治副市長は10日、市平良庁舎で会見を開き、国指定の与那覇湾鳥獣保護区内の特別保護地区をラムサール条約に日本の登録湿地候補として推薦することが決まったと発表した。7月にラムサール条約事務局で登録される見通しで、同月7日にルーマニアのブカレストで認証式も行われる予定。この日環境省で開かれた中央環境審議会野生生物部会(山岸哲部会長)で正式に報告、公表された。登録により、県内のラムサール条約湿地は5カ所になる。
同審議会では与那覇湾以外の新規登録候補地として、北海道の大沼、広島県の宮島など8カ所を推薦することを公表した。
長濱副市長は「ラムサール登録に大きく前進する。小さな島の干潟が世界的に注目され、誇りに思う。市民の皆さんも与那覇湾の環境保全に一層協力してほしい」と話した。
市は県とともに8月4日に登録記念イベントとして、シンポジウムと基調講演の開催を検討している。
ラムサール条約湿地は▽保全・再生▽賢明な利用(ワイズユース)▽交流・学習-の3本柱が互いに支え合い、身近な存在として人間の生活環境や社会活動と深い関わりを持つ干潟と位置づけられている。
湿地のワイズユースにより、生物多様性が維持され、健康で心豊かな暮らしや産業など、社会経済活動とバランスのとれた保全の推進により、将来に湿地の恵みを受け継いでいくことができる。
また、干潟の祭典として毎年開かれている「サニツ浜カーニバル」もラムサール条約登録湿地で開催される行事としてのブランド化も可能になり、新たな観光資源として期待される。
ラムサール条約 1971年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」で「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択された。開催地にちなみ「ラムサール条約」と呼ばれる。日本は80年に締約国になった。