検定牛を初買い上げ/家畜改良事業団
宮古の雌牛に調整交配/データ集積し種雄牛選抜
家畜改良事業団が肉用牛産肉能力平準化事業に沿って宮古島では試験的に進めている、検定牛の検査と買い上げが11日、JAおきなわ宮古家畜市場であった。2010年に同事業団の雄牛約20頭を宮古の雌牛20頭に調整交配した。最終的に24頭の検定調査牛(子牛)をこの日、事業団が買い上げた。きょう12日に宮古島から出荷される予定。買い上げ総額は約900万円。買い上げられた検定調査牛は広島と佐賀の農家に買い取られ、約2年肥育後に肉用牛として市場に出荷される。肥育期間は最長で去勢が29カ月、雌が32カ月以内。出荷時期と出荷先の市場は肥育農家に一任されている。市場で格付けされたデータを事業団が集積し、優良種雄牛を検定、選抜する。
調整交配に協力した東山ファームの喜屋武則吉さんは「良い試みだと思う。これからも協力していきたい」と述べた。買い上げ価格について「思った以上の値がついて上等」と話した。買い上げ価格は直前の競り市場の価格を参考に決められる。
JAおきなわ宮古地区畜産振興センター長の下地孝志さんは「肥育素牛として宮古から出荷されるが、この試みで宮古の牛がPRできる。農家の協力なしではできない。これからも協力をお願いしたい」と述べた。
同事業は優良な種雄牛を選抜し、その精液を全国に安定的に供給することで、肉用牛の生産能力を迅速に向上させ、高位で平準化することを目的に行われており、現在全国で24道県が参加している。県内では事業団が総合的に判断し、宮古島で試験的に進めている。検定の精度を高めるため、事業団は1頭の種雄牛から生産される調査牛の頭数を15頭以上に定めている。