袖山浄水場を見学/高校生太平洋・島サミット
水道水ろ過方法に質問
高校生太平洋・島サミット参加のため来島した参加各国の高校生らは23日午後、宮古島の水環境などを学ぶため袖山浄水場を見学。宮古島が水道水のろ過方法として採用している緩速ろ過方式などについて、市の担当職員から説明を受けた。参加高校生たちは職員の話を熱心に聞いたほか、疑問点などを積極的に質問した。
水環境に関する問題は、きょう24日に行われるグループディスカッションのテーマとなっている。高校生たちは施設見学の前に、国際協力機構(JICA)が作成した緩速ろ過方式について紹介するビデオを鑑賞。JICAの支援により給水体制の整備が行われた西アフリカのシエラレオネの例などを通して緩速ろ過について学んだ。
袖山浄水場では4班に分かれ、水質管理の方法や、水源地から水をくみ上げる着水井や原水の硬度を下げる硬度低減化施設、緩速ろ過池の仕組みなどについて説明を聞いた。
同浄水場の緩速ろ過は生物浄化法とも呼ばれ、砂の層の表面に生えた藻類と、藻類の光合成で活性化した水中微生物群が作る生物膜が、通過する水から濁りや有機物、悪臭などを除去している。担当職員は生物浄化法について「運転管理が容易で維持費もあまりかからず、薬品も使用しないので環境にも優しく、安心・安全で良質な水の浄化ができる。生物の活動を利用するので生物活動が活発になる熱帯、亜熱帯地方に適している」との考えを示した。
高校生からは「1日にどれだけの量を浄化できるのか」、「処理する量を増やすにはどうすればよいのか」、「メンテナンスはどれくらいのスパンで行っているのか」などさまざまな質問が出された。それに対し職員は、1日に約3万立方㍍浄化できること、処理量を増やすには浄化槽の増設が必要となること、メンテナンスは1カ月に1度行っていることなどを説明した。
バヌアツから参加しているジャリカ・マラウさん(17)は「この方法であればエネルギーをあまり使うことなく浄化できるので、環境にも良いと思った」と感想を語った。