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行雲流水
2012年5月30日(水)22:20

「島サミット」(行雲流水)

 高校生太平洋・島サミットが無事に終わった。宮古島で国際会議が開催された意義は大きい。特に、高校生たちは次代を担う人材だ。今回の体験は、自身と社会の将来に影響を及ぼし続けることになるであろう


▼太平洋に点在する島々には共通の課題がある。環境を保全しつつエネルギーや水を確保して漁業・農業・観光産業の開発を進め、「持続可能な島しょ社会」をつくることだ。だが、そのために必要な技術は開発途上にあり、資金は不足し、協力体制は整わず、システム構築の道のりは遠いというのが実情だ

▼そんななか、宮古島は先進地としての地位を獲得しつつある。実証試験事例が集積されつつあるからだ。沖縄は熱帯・亜熱帯に適合する技術の開発・確立の場として、国内では優位にある。特に宮古諸島の人口規模・環境は、モデルシステムの構築に適しているといわれている

▼宮古島と太平洋の島々との交流の歴史は古い。伊良部の南洋カツオ漁は昭和4年に始まり、復帰後まで続いていた。捕れたカツオはツラギ港に水揚げし、かつお節の製造法をも伝授、優良従業員を沖縄旅行に招待するなど交流を深めた。知事表敬で現地従業員が話した「日本語」は伊良部方言だったほどだ

▼「パヤオ」もソロモン諸島の漁法がヒントになった。今度は、宮古島で確立されつつあるエネルギーや水や環境保全の技術を先方に移転し、交流の好循環が続くことになれば幸いだ

▼「エコ・アイランド宮古島」が外国の首脳や高校生たちに印象深く認知されたことを誇りに思いたい。

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