ペースト製造施設が完成/イモ産業化事業
試運転で順調な稼働確認/本格運転7月中旬見込む
カンショ(イモ)の6次産業化事業で市は6日、完成したイモのペースト製造施設=下地洲鎌=の試験運転を行い、順調な稼働を確認した。日量500㌔程度の本格運転は、イモの生産が増える7月中旬ごろを見込んでいる。
ペースト製造施設は、JAおきなわ下地集荷場西隣りの市農村婦人の家を改造してつくった施設。この日は2戸の農家から、725㌔入荷した。
イモは洗浄機で洗い、職員らが一個一個をカット。ペースト製品は、手作業でカットしたイモを蒸してペースト製造機にかけ、真空パックにして作り上げた。製造工程では、イモをわざわざカットして害虫食害の有無を確かめるなど、品質管理を徹底した。
ペースト製品の販売先は、市内の製菓業者や大手スーパーチェーンを予定。施設の運営は、民間に委託する。
施設には、商品開発室も併設した。同所で製造した菓子は、本土のデパートにも販売。開発した商品の製造技術は、市内の製菓業者にも提供する。
施設のペースト製造能力は日量16㌧。2012年度の生産は96㌧を目指している。
650㌔を納品した宮古島カンショ研究会の上地雅己会長は「加工施設が一日でも早く、軌道に乗ることを願う。研究会としても支援する」と話した。
イモの安定生産に向けては、8月1日に生産販売組合を設立する。現在、農政課は組合加入希望者を募集しているが、6日までの申込者は86人と多い。市は今後、イモ生産農家が増えるとみて、2021年度の目標(2520㌧、3億7800万円)は、達成すると見込む。
イモの6次産業化事業は、イモを主要作物に育てることや、加工販売して付加価値を高め、農業振興と経済発展につなげる狙いで取り組んでいる。
6次産業化 第1次産業が食品加工や流通販売にも業務展開している経営形態のこと