刺咬症件数は18件/11年海洋危険生物
ハブクラゲ類多く県、注意報を発表
宮古島は本格的なマリンレジャーの季節を迎えた。毎年、宮古島でもハブクラゲなどの海の危険生物による被害が報告されている。
県衛生環境研究所が3月に公表した「ハブクラゲ等危険防止対策事業報告書」によると、2011年に海洋危険生物に噛まれたり刺されたりした被害は県全体で216件発生した。市町村別では石垣市が58件と最も多く、うるま市が38件、名護市が19件、宮古島市は18件だった。県福祉保健部は、今月1日からハブクラゲ発生注意報を発表し、県民や観光客らに注意を呼び掛けている。注意報は9月30日までの4カ月間。
加害生物別にみると、宮古島ではクラゲ類が6件、ハブクラゲが3件、魚類が2件、オコゼ類、ミノカサゴの仲間、ガンガゼ、オニヒトデが各1件、不明が3件だった。クラゲ類は被害者が種類を同定できなかった個体もあるため、ハブクラゲが含まれている可能性もある。
被害者は男性が全体の62%に当たる134件、女性は37・5%で件、不明が1件(0・5%)だった。
県全体ではクラゲやイソギンチャクなど刺胞動物による被害が130件で、このうちハブクラゲによる被害が100件と最も多かった。
オニダルマオコゼやゴンズイなど魚類による被害が件、オニヒトデ、ガンガゼなど棘皮動物によるものも30件発生した。このうち、オニヒトデの被害が21件と棘皮動物被害の70%を占めた。
被害は1年を通して発生しているが、7月に80件、8月に74件で、この2カ月間で全体の71%を占めている。
11年の県内の刺咬症件数を主な居住地別にみると、沖縄県が127件と最多で次いで東京都の26件、大阪府の17件、神奈川県の10件だった。
被害の発生状況別では遊泳中が145件、ダイビングが18件、魚釣り漁労中が各10件、潮干狩りが6件。遊泳中に刺咬症を引き起こした加害生物はハブクラゲが84件と最も多かった。ダイビング中はオニヒトデが9件と最も多かった。
ハブクラゲに刺された場合の対処法は①すぐに海から上がり、刺された部分は絶対にこすらない②酢(食酢)をたっぷりかける③触手をそっと取り除く④痛いときは氷や冷水で冷やす⑤応急処置後は医療機関で治療を受ける-。
またオニヒトデに刺された場合は①軽く刺さったとげはできる限り取り除く②とげを抜くときは必ず真っ直ぐに抜く。曲げたりゆすったりすると、とげの先端が折れて残ることがある③患部はなるべく動かさない④42度くらいのお湯に患部をつけると、痛みが和らぐ⑤応急処置後は医療機関で治療を受ける-。