7月から3倍に/し尿処理手数料
下水道処理への変更で
宮古島のし尿等の処理方法が7月1日から、従来施設での処理から下水道処理施設での処理に変更される。それに伴い、し尿及び浄化槽汚泥処理手数料を、これまでの1・8㌔㍑車600円など搬入車1台単位から100㍑につき100円に変更。現在の3倍に引き上げられる。市環境保全課では今回の改定について、下水道料金に準じて算定した料金であるとして市民に理解を呼び掛けている。
現在のし尿及び浄化槽汚泥処理手数料は、搬入車1台につき1・8㌔㍑車は600円、2・7㌔㍑車は900円、3・1㌔㍑車は1000円。
これが下水道処理施設での処理に移行すると100㍑につき100円に変更される。現行の区分に当てはめると1・8㌔㍑は1800円、2・7㌔㍑は2700円、3・1㌔㍑は3100円と3倍も跳ね上がることになる。
新しい手数料について環境保全課では「下水道に接続している家庭が支払っている料金に準じて算出した料金」と説明。値上げではなく、下水道利用者に合わせた改正であるとの考えを示した。
今回の手数料改定については、すでに市議会3月定例会で条例改正案を承認。7月1日からの施行が決まっている。ただ、改定について、市は広報誌などでの広報活動をまだ行っておらず、市民への周知が十分に図られていない状態にある。同課では「6月の広報誌で情報を掲載すべきだった」と遅れを認めるた上で「7月号で市民への周知を図りたい」と述べた。
現行施設の処理能力が1日当たり約30㌧であるのに対し、下水道施設であれば約50㌧の処理が可能となる。
また、従来は処理に薬剤を使用していたが、下水道施設では微生物を活用した処理のため環境への負担は減少。処理の前段階としてし尿等は水で約10倍に希釈されるが、そこでは、現在は海に放出されている処理水を活用する。同課は「下水道処理へ移行することで薬や水道水を使わない処理ができるようになる」と環境面でのメリットをアピールする。
同課の上地秀光課長は「従来より手数料は高くなるが、環境に優しい処理ができる。市民には理解と協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
平良西仲宗根にあるし尿処理施設「上原苑」は、1986年に旧平良市の施設として完成。近年は施設の老朽化が進む一方で、合併浄化槽設置の義務化や旧町村部からの搬入、アパート、マンションの増加などに伴い搬入量は増加。処理が追いつかない状況となっていることから、市は処理能力に余裕のある下水道処理施設を活用する方針を決定。下水道処理する前段階でし尿等を希釈する、し尿等下水道投入施設を下水道処理施設の隣りに整備。7月からの稼働に備え、今年1月から今月まで試験運転を行っている。