高齢者虐待16件発生/宮古島市11年度
多良間は調査開始以降ゼロ
【那覇支社】県福祉保健部(崎山八郎部長)は、このほど2011年度に発生した県内の高齢者の虐待事案について発表した。全県の虐待事案報告件数は138件で、前年度の179件より41件減少した。介護職員等による虐待が3件発生し、いずれも身体的虐待だった。市町村別で宮古島市は16件発生し、前年の11件より5件増加した。多良間村は調査を開始した06年度以降、虐待報告件数は0件となっている。
養護者による高齢者虐待の状況別では、虐待事案の種類(複数回答)で最も多かったのは言葉による暴力などの「心理的虐待」の53・3%。次いで外傷の残る暴行などの「身体的虐待」51・1%、介護・世話の「放棄・放任」と財産を不当に処分するなどの「経済的虐待」がそれぞれ28・9%、「性的虐待」2・2%の順となっている。
また、被虐待者との関係で最も多かったのは息子の56・3%。次いで▽配偶者17・0%▽嫁14・7%▽娘7・4%▽孫5・9%▽その他4・4%▽兄弟姉妹2・2%-の順だった。
同居者による虐待は81・5%で、虐待されたのは女性77・8%、男性22・2%。支援・介護が必要な高齢者への虐待は66・7%だった。
県高齢者福祉介護課によると、宮古島市の虐待事案の報告件数が増えた背景として、これまで潜在的にあった高齢者に対する虐待が「虐待防止ネットワーク」などの活動により顕在化したことなどが要因の一つとして考えられるという。
また、全県の虐待報告件数が低下した背景にも、地域のネットワークが機能し、相談などによって予防的措置が図られたことなどが考えられる。