宮古島産パイン「甘い」と評判
栽培面積3.5㌶と増加/市、差別化し生産拡大へ
宮古島市内のパインアップル(略称・パイン)の栽培面積が、増加傾向にあることが市農政課の調べで分かった。現在の面積は約3・5㌶で、2009年の2・5㌶と比べ1㌶増えた。甘さが評判になり市場性が高まったことや、露地で手軽に栽培できることが、面積増の主な要因とみている。収穫は今月下旬ごろから始まり、ピークは7月中旬、9月末ごろに終わる。
市パインアップル栽培研究会の村吉順栄会長(市農林水産部次長)は「宮古島市は、普及が遅れているが、甘さで差別化して振興していきたい」と今後を展望する。
JAあたらす市場の職員によると、宮古島産のパインは、酸味が少なく甘さが引き立つ。1度買った人は2度、3度と買うという。1個の値段は高い物では1000円もするが、入荷したパインの回転は速い。買う人の7割は地元、観光客も3割程度を占める。
マティダファーム(上野宮国)の上地克冶代表は、マンゴーハウスの通路沿いに植えて、今年初めて収穫する。「3000個は、沖縄本島の卸業者と一括売買契約を結んだ。宮古産は、それほど人気が高い」と強調した。同パインは、マンゴーと組み合わせた中元ギフトにも使う。
農家は栽培のメリットに①台風、干ばつに強い②肥培管理、収穫が容易③農薬がほとんど要らない-なども挙げている。
パインは、植え付けから2年後に初収穫し、2~3年連続して取る。10㌃当たりの作付本数は、3000~4000本。1個当たりの手取り額を500~800円とした場合、高い所得が試算される。しかし現状は規格外品が多いことなどもあり思うように行かず、栽培技術の向上が課題になっている。
パインは県内では、酸性土壌の沖縄本島北部と石垣市が、主産地。アルカリ性土壌の多い宮古には向かないとされていたが、近年土壌を選び栽培されるようになった。土壌の適否を判断するPH分析は、県宮古農林水産振興センター農業改良普及課で、随時受け付けている。