村長の10%減給可決/多良間村議会
工事代金遅延の責任で/豊見山氏の教委選任も見送り
【多良間】多良間中学校の設備工事費の一部が出納整理期限(5月末)を過ぎて支払われた事務ミスや、これが2010年度一般会計決算の不認定につながった不手際を理由に、教育長不在が4月以降続いている多良間村の下地昌明村長は19日、同村議会(西平幹議長)に豊見山正前教育長の教育委員への選任を求める人事同意案を提出したが、議案審議の前に取り下げた。下地村長は、現段階で理解してもらえる状況にないことを理由に挙げ、今後時期を見て同案を再度提出する考えを示した。
豊見山氏の同意案は3月定例会にも提出されたが、不手際に対する反省が見られないことを理由に全会一致で否決した。
下地村長は今回、自らにも同問題に対する責任があるとして、月給の10%を7月から12月まで6カ月間減給する議案を提出し、可決された。
議員の一人によると与野党の6人は休会中に、豊見山氏の同意案をどうするか話し合った。その中では「村長も工事を担当した職員も減給処分を受けているのだから、同意してもいいのでは」「国や県の出方が見えない中で、同意するのは時期尚早」などの意見があったという。
同問題では、豊見山氏も、責任を取りたい意向を見せているものの教育長職を退いているため取れない状況にある。
工事代金の支払い遅延問題は昨年7月14、15日に実施した現金出納検査で発覚した。金額は約1700万円。6月30日に施工業者に支払われ、出納整理期限より約1カ月遅れだった。
補助金適正化法では、当該年度の工事代金は、5月末までに決済されなければならない。これを過ぎると、補助金返還を求められる可能性もある。