地雷の恐怖学ぶ/久松中で平和学習
雨宮清さんが講演
久松中学校(平良ヒロ子校長)は19日、平和週間の一環として平和学習のための講演会を開催した。カンボジアの悲惨な地雷被害や除去活動を目の当たりにし、「地雷除去機」を開発するとともに、自らも世界の地雷除去活動に参加している山梨日立建機社長の雨宮清さんを講師に招き、世界の地雷被害の状況などを学んだ。
雨宮さんは、影像やスライドを通してカンボジアなどの世界の地雷埋設状況を説明。世界120カ国に約1億個の地雷が埋設されている現状などを分布図を使って示した。
ベトナム戦争終結後、カンボジアではポルポト政権時代に内戦へと突入し、約170万人が虐殺されたことなどの歴史経緯を解説した上で、内戦中に約600万個の地雷が埋められ、現在でも立ち入り禁止区域となっている地区での被害が続いていることを説明した。
また、カンボジアではベトナム戦争時代の不発弾も240万個あり、常に地雷と不発弾の爆発の恐怖にさらされている日常があることを話した。
雨宮さんは「人手による世界の地雷除去作業には千年以上の時間を要するといわれている。世界では1日に72人が地雷で死亡しており、約分間に1人が地雷の犠牲者となっている。その90%以上が一般の民間人で、被害者の約4割は子どもたちだ」と述べ、地雷の恐ろしさを訴えた。
「悪魔の兵器」と呼ばれる地雷は一瞬にして人命を奪うのみならず、重傷障害をもたらすことで、その国の時間と経済を根源から失わせることを強調し、「人類は戦争による武器の使用を絶対に認めてはならない」と述べ、平和の尊さを生徒たちに訴えた。