口腔ケアで認知症予防/ライオン研究所市共同事業
3人の専門家が講演
ライオン歯科衛生研究所と市役所介護長寿課による共同事業講演会「お口の健康と認知症予防」が21日、市中央公民館大ホールで開かれた。介護や医療の関係者や一般市民らが多数参加し、3人の専門家から認知症やその予防法、口腔ケアと認知症の関連などについて話を聞いた。
同講演会は、認知症予防と口腔機能向上の必要性を周知することを目的に開催された。講師は、東京都健康長寿医療センターの高橋龍太郎副所長、特別養護老人ホームを運営するラヴィータ研究所の濱田三作男理事長、ライオン歯科衛生研究所研究部の武井典子主任歯科衛生士の3人。
高橋副所長は「人が老いるということ」をテーマに、加齢にともない発症しやすくなる病気などを紹介。認知症予防として最終的に守るべき部分は、食べる、排せつするなどの生きるために備わっている機能であるとの考えを示した。
濱田理事長は「家庭で実践できる認知症予防」として、水分補給の大切さを強調。脱水が不穏症状や夜間徘徊を引き起こすことを説明し「高齢者は保水率が低い。在宅高齢者の1日平均摂取量は600㍉㍑と言われているが、1500㍉㍑は必要」と語った。
武井氏は「お口の機能アップで認知症予防に挑戦」と題し、口を動かすことで脳が活性化されることを紹介。口腔ケアを実施することで認知機能の低下が抑制された実例などを示した。参加者たちはメモなどを取りながら2人の話に聞き入っていた。