市、継続運用を模索/バイオ施設
国、県との調整進める/市議会一般質問
環境省の実用化実証研究事業として宮古島で実施されたバイオエタノール製造施設は2012年度末で生産を停止している状況だが、市は同施設の継続運用について、国、県と調整を行い、生産継続を目指してブラジル系企業の誘致を含めて模索していることが26日、明らかになった。市議会一般質問で仲間則人氏、眞榮城徳彦氏に下地敏彦市長、長濱政治副市長が答弁した。
仲間氏がバイオエタノール実証事業施設の今後の運用について質問したのに対し、長濱副市長は「再稼働に向け、さまざまな角度から検討を行っている」と述べ、運用継続の問題点として大規模プラントの稼働にかかるコストと収益の採算などの課題があることを示唆し、「費用対効果の部分で問題があるということで議論をしているところだ」と答弁した。
同施設によるバイオエタノール製造そのものは、実用化が可能であることを国、県も実証済みとの認識を持っており、同製造過程で発生する蒸留残渣液や発酵残渣酵母の有効活用を含めて事業化することが望まれている。
エタノールの生産コストについては、実証試験時の試算で全島展開時で1㍑当たり150円程度と割高に見積もられているが、億円以上の資金を投入して建設した実証施設を廃棄するのはもったいないとして、県は施設の運用に市が積極関与するよう促していた。
下地市長によれば、バイオエタノール先進国のブラジル系企業の日伯エタノールなどの誘致を含めて継続運用を図れる企業との交渉を進めており、国、県との調整を踏まえて7月をめどに同施設の運用継続について結論を出したい考えだ。