議長に喜納昌春氏/県議会
与野党の思惑が交錯/6月定例会
【那覇支社】改選後初の県議会6月定例会が26日開会した。本会議冒頭で正副議長選挙を行い、議長には喜納昌春氏(68)=社大・中頭郡区=を、副議長には浦崎唯昭氏(68)=自民・那覇市区=を選出した。県議会は議長選挙をめぐり各派の調整会議で開会が遅れ、午後1時35分に開会したが、自民会派から休憩の求めがあり、午後2時に再開した。
野党所属の喜納氏は、与党の自民、公明県民会議・無所属と中立会派「改革の会」からの投票で24票を得票し議長に選出される異例の結果となった。
喜納氏が所属する社大と野党各会派は、与党の協力を得て当選した喜納氏に反発しており、社大党は除名を含めた同氏の処分を検討するものとみられる。
副議長は浦崎氏が自民、公明、改革の会、無所属から26票を得票し選出された。
議長選挙の結果は、喜納氏24票、野党が推した新里米吉氏=社民・護憲・中頭郡区=が22票、白票2票。副議長選挙は浦崎氏26票、野党が推した奥平一夫氏=県民ネット・宮古島市区=が22票を獲得した。
当初、野党・中道会派は議長に新里氏、副議長に奥平氏を選出する方向で合意していたが、同正副議長案を不服とする「改革の会」が喜納氏を擁立し、副議長案では自民候補を推すことで水面下の調整を図った。
一方、少数与党となった自民も、改革からの喜納氏擁立の持ちかけで、独自候補の擁立を断念。自民会派所属の議員によれば、26日午前に開いた会派内での会議は大もめの状態だったという。結局、「改革の会」案を了承することで、副議長席を獲得し、主導権の一部を得られるとの理由から同案に賛同した。
今定例会は初日から、与野党の思惑が交錯する波乱含みのスタートとなった。