「人を支えること大事」
闘病体験談語る/砂川春美さん
空き缶を換金、Tシャツも寄贈
「出会いをかけがえのない宝物として」と題した教育講演会が27日、福嶺中学校(宮国敏弘校長)で開かれた。講師の砂川春美さん(61)が、病気と闘いながらさまざまなボランティアや地域活動を展開してきた体験談を披露。「日常の何気ないことから生きる幸せを見つけて。人を支える大切さを学んで」と呼び掛けた。砂川さんは自宅で1年間集めたペットボトルや空き缶、古雑誌、トレー、段ボールなどを回収して換金、ドラムの部活に励む生徒たちにTシャツをプレゼントし喜ばれた。
砂川さんは城辺保良在住。同校の学校評議員、市母子保健推進員連絡協議会長、市文化協会副会長など務める。
乳がんや膠原病など生命を脅かす病気を発病するなど長い間の闘病生活も続けた。
闘病中に夫を病気で亡くし精神的に落ち込んだこともあった。
砂川さんは現在も病院に通っているが、「病気だからといって床に就いておれない」とさまざまな団体の役員やボランティア活動を行っている。
講演ではそういった辛い回想のほか、ボランティア活動でのさまざまな人たちとの出会いを紹介。「自分にできることは何かをいつも探していた。コツコツとやることで充実感が体を満たす」と話した。
「伝統の保良クイチャーを復活させよう」。砂川さんが一念発起し地域の大先輩たちから唄と踊りの指導を受けた。民謡好きな人たちに声を掛けて保存会を立ち上げた。
保良のクイチャーを数十年ぶりに復活させ「クイチャーフェス」に初めて参加したことを紹介し「病気を乗り切ったと自己満足している」と語った。
道路に空き缶やペットボトルがあるとすぐに車を止めて拾う。今では、その行動を知る地域の人たちや知人らが空き缶などを持ち寄ってくるという。
集まると換金、昨年は福嶺小ミニバスケット部にボール入れかごを寄贈した。
「母校や後輩のためにはこれしかできないという気持ち。一人ではできない。みんなの力に支えられたからこそ」と話した。
県中学校総合文化祭に出場した同中のドラム部には、そろいのTシャツをプレゼント。これは砂川さんが1年間に集めたペットボトルなどを換金したものだ。
ドラム部長の砂川優莉奈さん(3年)は「自分にできることは何でもやっていきたい。頂いたTシャツは大事にします」とお礼の言葉を述べた。ドラムパフォーマンスも披露し、感謝と喜びを表した。