国際線就航の可能性検討/下地島空港
県、利活用検討協を設置/県議会定例会 奥平氏の質問に答弁
【那覇支社】開会中の県議会(喜納昌春議長)6月定例会は5日、一般質問初日に入り、一番手で宮古島市区選出の奥平一夫氏(県民ネット)が登壇し、知事の政治姿勢や県執行部施策について質問した。奥平氏が下地島空港周辺残地と同空港の利活用についてただしたのに対し、当間清勝土木建築部長が答弁し、「下地島空港利活用検討協議会を設置して、具体的な検討を始めたところだ」と述べ、「宮古島市が策定した計画書の提案を参考に、伊良部大橋供用後の宮古空港との役割分担を踏まえ、国際線就航の可能性についても検討する」と答えた。同協議会の全体会合は今月中に開く予定だ。
同利活用検討協は、県、市関係機関と学識経験者の計7人で委員を構成し、地元経済団体を含む10人で幹事会を構成している。当間土建部長は「国内外の空港の先進的事例を調査研究し、総合的に研究する」と答弁した。
また、奥平氏が同空港の日本航空(JAL)撤退による民事調停の進ちょくを質問したのに対し、当間土建部長は、JALに対して年間練習使用料等について定めた覚書が相当期間継続することの確認と維持費支払いを求める調停申立書を今年3月に提出し、今月中旬に東京地裁で第1回調停が行われることを明らかにした。
このほか、奥平氏は知事の政治姿勢に関連し、「若年者の雇用環境の実態と改善について知事の見解を聞きたい」とただした。
これに仲井真弘多知事は「2011年の若年者の完全失業率は全国より4・1高く、11・3%となっている」とした上で、「改善策として、県外、海外企業でのインターンシップやジョブトレーニング、高校、大学等への就職支援コーディネーターの配置などに取り組んでいる」と述べ、一括交付金などを活用した産業振興や企業誘致を推進し、若年者就職支援に努める考えを示した。
県が設置した「下地島空港利活用検討協議会」の委員と幹事は次の通り。(敬称略)
【協議会委員】轟朝幸(日本大理工学部教授)▽岩佐吉郎(名桜大寄付講座教授)▽金城淳(県土建部統括監)▽下地明和(県企画部統括監)▽安里肇(県商工労働部統括監)▽下地芳郎(県文化観光スポーツ部統括監)▽長濱政治(宮古島市副市長)
【同幹事】北原政弘(県土建部参事)▽玉城恒美(県交通政策課長)▽池田竹州(県地域・離島課副参事)▽大城健(県農政経済課長)▽田中建治(県産業政策課長)▽神谷順治(県観光振興課長)▽嘉手納良文(県空港課長)▽伊敷勝司(県下地島空港管理事務所長)▽古堅宗和(市企画政策部長)▽中尾忠筰(下地島利活用を考える青年協議会事務局長)