環境・エコ 産業・経済
2010年7月23日(金)19:01
スプリンクラー威力発揮/宮古地区10年3月末 かんがい面積6693㌶に
地下ダム水利用で干ばつ被害抑える
宮古農林水産振興センター農林水産整備課のまとめによると、管内における2010年3月末までの畑地かんがい面積(給水所方式のⅢ型含む見込み面積)は、 6693㌶に達した。整備を要する面積1万2168㌶に対する割合は55%で、県平均を14.9ポイント上回った。
水源整備率も、県平均を19.8ポイント上回る76.1%。一方、圃場(ほじょう)整備率は46.1%と、県平均を6.8ポイント下回っている。
スプリンクラーなどのかんがい末端施設整備と、畑の岩盤を除去し四角形に区画整理する圃場整備は関連事業。従来、圃場とかんがい施設は別々に整備されていたが、今年度から一体的に行う事業が西西など3地区で始まった。
スプリンクラー(Ⅰ型)と畑の周囲に給水栓を設置するⅡ型を合わせた面積は約4200㌶と広い。
現在干ばつ傾向にあるが、かんがい施設が施された畑のサトウキビは青々と育っている。 松元茂農林水産整備課長は「畑かん施設のある所とない所では、干ばつの影響が全然違う。作物の生育に限らず、トラックで水をくむ作業の労力と費用は大きい。農家から強い要望があるので、今後とも予算確保に力を入れていきたい」と話す。
かんがい末端施設の地区別整備率と整備済面積は、整備率が高い順に上野100%(1262㌶)、下地73.6%(993㌶)、平良60.7%(1868㌶)、城辺58.1%(2213㌶)、伊良部14.2%(259㌶)、多良間9.9%(95㌶)となっている。
圃場整備はスプリンクラーなどを整然と設置して効率的なかんがいを行うことや農地の集団化、耕土深の確保、機械化促進などが目的。以前までは負担金を伴うため、実施を渋る農家がいたが、現在は地下ダムの水利用効果で、ほとんどの農家が導入を望んでいるという。
宮古島の傾斜地や耕土の浅い条件不利地域では、大半が終了。現在は、耕土の深い比較的恵まれた畑の整備に移った。
地区別の整備面積と整備率は平良1012㌶(整備率35.5%)、城辺1089㌶(同31.5%)、下地759㌶(同59.5%)、上野1032㌶(同 98.2%)、伊良部739㌶(同40.7%)、多良間が494㌶(同74.6%)。整備率は上野が最も高く、城辺が最も低い。
水源は砂川地下ダム(有効貯水量680万㌧)、福里地下ダム(同760万㌧)、仲原流域(利用可能量360万㌧)、伊良部や多良間村の貯水池など。これらの水源が広大な畑を潤している。