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行雲流水
2012年7月11日(水)22:38

「宮古の経済」(行雲流水)

 宮古圏域の年間所得総額は約「1000億円」。この数字をおぼえておくと便利だ。人口、就業者数、世帯数で割ると、それぞれの所得水準がわかる。宮古の経済や財政を考える上でも役立つ


▼宮古島市の予算規模は約350億円だが、これは所得総額の35%に相当する(沖縄県16%)。しかも、市民税や固定資産税などの自主財源は予算総額の約2割に過ぎない(石垣市4割。全国6割)。国の財政事情が逼迫するなか、国・県頼みの財政運営では将来が危ぶまれる

▼自主財源を増やす方法は、産業振興しかない。所得総額1000億円の内訳を経済活動別にみると、サービス業275億円(以下、単位は億円)、政府サービス生産者(公務)230、建設業130、卸・小売業106、不動産業90、農業76、運輸業50、製造業38と続く

▼また、所得総額を別の角度からみると、雇用者報酬(賃金)645、企業所得311、財産所得58となっている

▼これらの数字をながめていると、波及効果の大きい観光、現に6000人が就業している農業、雇用創出効果の大きい製造業などの振興が重要だということがわかる。産業ごとに開発要素を抽出して解決していく努力と知恵が待たれる

▼たとえば農業分野だと、土壌・病害虫・栽培管理などの技術的要素の解決には試験場などとの連携強化、資金面では国・県・公庫施策の積極的活用など農家といわゆる〝お役所〟との協働化が必要だ。地産地消も重要な開発要素の一つだ。(数字は、平成21年3月県統計課発行「平成21年度沖縄県市町村民所得」による)

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