イモ生産組合員144人に/ペースト工場に安定供給へ
産業化へ明るい展望
市が8月の「宮古島市いも生産販売組合(仮称)」の設立に向けて、6月29日を締め切り日に公募した組合員は144人に上った。今年3月の公募説明会に参加した70人の倍以上に増え、栽培機運の盛り上がりが数字に表れた。栽培面積は現状よりかなり増えるとみられ、産業化へ明るい展望が開けた。
生産販売組合は、組合員の生産したイモ(紫イモ)を買い上げて、ペースト製造工場(市委託施設)に販売する組織。栽培技術のマニュアル化などにも取り組む。
ペースト製造工場は5月末に完成した。現在は生産性向上のため、イモのカットや真空パック機械化の準備を進めている。
工場の1日当たり処理能力は16㌧、年間に4800㌧。販売先は、大規模コンビニチェーンや、商社などを予定している。
商品開発室で、開発製造した菓子は本土のデパートにも販売。開発した商品の製造技術は、市内の製菓業者にも提供する。
栽培品種は加工に向く「ちゅら恋紅」と「V4(宮古-島紫)」に絞った。村吉順栄・市農林水産部次長は、イモは台風・干ばつに強く、周年栽培が可能な作物と、普及推進の理由を強調する。ブランド化に向けては、「日本最古のイモの伝来地」を売り込む。
2021年度の目標には生産量2520㌧、販売額3億7800万円を示している。