海洋危険生物に注意を/水難事故防止協
ハブクラゲ夏場に集中/講習会で応急措置など学ぶ
宮古島水難事故防止協議会(会長・下地敏彦市長)は12日、ハブクラゲの被害が7、8月に集中することから、2012年度ハブクラゲ等海洋危険生物及び水難事故防止講習会を市中央公民館で開催し、参加者は海洋危険生物の被害に遭ったときの応急処置や、水難事故発生状況、水難事故防止安全対策などを学んだ。
県衛生環境研究所衛生科学班の安座間安仙研究員が、1998年から2011年までに県内で海洋危険生物による被害が4381件あったと報告した。
特にハブクラゲの被害が多く、11年だけでも100件の刺傷被害があった。被害は7、8月に多発し、この間だけで70%以上の被害が報告されている。
安座間さんはハブクラゲの被害にあったときの応急処置は①すぐに海からあがる②刺された部分は絶対にこすらない③酢(食酢)をたっぷりかける④触手を手でそっと取り除く⑤痛いときは氷や冷水で冷やす-ことが効果的と話し、応急処置後は病院で手当を受けるよう話した。また、酢はハブクラゲ以外には使用しないよう強調した。
ハブクラゲの被害による死亡例が県内では過去に3例あり、いずれも年齢が歳以下だった。子どもは毒から受ける影響が大きいため、早めの処置と、危険生物には近づかせないような予防が大切と指摘した。
宮古島警察署地域課長の下地秀樹警部は、県内の今年上半期(1月1日から6月30日)に発生した水難事故は19件、死者9人、行方不明2人で、宮古島署管内では1月に釣り人1人が行方不明となる事故が発生していると報告し「救命胴衣の着用、監視員や救助員のいるビーチでの遊泳、飲酒後や体調不良のときは泳がないように」などと注意を呼び掛けた。
宮古島海上保安署の井上健二郎専門員が着衣のまま落水したときは「パニックを起こさず、まずは体を浮かせて救助を待つことが大切」と話し「発見者は救助要請の通報とともに、ペットボトルなど浮きになるものを投げ入れる」などの対処法を説明した。