民間会社での指定管理へ/バイオエタノール製造施設
再稼働へ調整
宮古島で行われてきたバイオエタノール3%混合ガソリン「E3」の実証実験終了に伴い、現在は稼働していないバイオエタノール製造施設の今後の活用について、発酵アルコールの製造・販売を行う民間会社の日本アルコール産業(本社・東京)を指定管理者として運営を委託する方向で、市と県、同社の3者で調整を進めていることが分かった。
同社は、沖縄本島で行われている環境省委託の「バイオ燃料本格普及事業」で、県産糖蜜からバイオエタノールを鹿児島県にある同社出水工場で製造し、供給している。エタノール製造過程で副産物として出てくる残渣物などを活用して肥料を作る技術も持っていることから、宮古島の製造施設で付加価値の高い肥料などが商品化できれば、バイオエタノールの価格を抑えることができ、E3の実用化も可能になるとの考えから、その実現に向け現在、市、県、同社で協議が進められている。
市としては、現在は国の所有となっているバイオエタノール製造施設を、市に無償で譲渡してもらい、同社を製造施設の指定管理者として運営を委託。その際、指定管理から5年程度で残渣物を活用した肥料などの商品化を実現させることを指定管理協定締結の条件とすることなどを検討している。
具体的なスケジュールは決まっていないが、市は国との調整も進めながら、指定管理へ向けた取り組みを速やかに推進し、協定を締結させることで、宮古島でのE3事業を実証実験から実用化へ移行させ、将来的には宮古島産サトウキビを使ったエネルギーの地産地消を実現したい考え。